陽性転移の錯覚

陽性転移の錯覚

 

15の時、初めて今の主治医に会った。主治医というのは精神科の主治医だ。

私は、閉鎖病棟保護室医療保護入院した時もあるし、履歴書を書けば休学だの中退だの文字がずらずら並ぶ悲惨な履歴の人生をたどってきたが、今は、就労継続支援A型事業所に通っている。診断名は、3つあるが、主な障害は、境界性パーソナリティ障害だ。ネットでは散々の言われようの人格障害だが、私は自覚がある分マシだと思う。

 

前書きが長くなったが、今の主治医に初めて会ったとき、診察室に入って先生の声を聞いた瞬間から恋に落ちた。診察室のドアを開けた瞬間から、そこは安心感に包まれた心をほぐす温かい雰囲気だった。それに加えて「○○ちゃんどうしたの?」なんて言葉をかけられたら心が弱ってる私にはロックオンだった。泣きながら自分語りして大事なことを伝え忘れ(学校に行けてないこと)恥ずかしくなって一旦一年半引きこもった。

 

それからなんだかんだあって主治医とは長い付き合いになる。信頼してるし、愛情もある。主治医からも一生面倒見ると言ってくれたときもある。もちろんこのままじゃ年を取っても主治医に盲目の、金づるの痛いおばさんの患者になってしまうと思ったから、彼氏も最近できたけど、主治医がほんとに好きだった。陽性転移に関しては、古い本になるが、なだいなだ著の「れとると」という本を読めば精神科の医師に恋する心が理解できると思う。

 

 

私はほんとに主治医が好きだった。本当にありがとう。これからもよろしくお願いします。